有名人百合系SSまとめ
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┗由利×七B01
作者:不明
風邪をひいてしまった・・・。

「ゴホッゲホッ・・・ハァ…明日仕事あるやーん・・・」

まぁ、でもこれはある意味・・・

「・・・ラッキー?(笑)」

こんな状態だったら、休んでも誰も文句言われへんやろー♪

でも何で?こーんなに健康体なのに何で風邪ひいてしもたんやろ?
撮影ん時、岡本さんが風邪薬飲んでたのがミョーに引っかかる・・・めっちゃ不本意や!

「ゴホッゴホッ・・・」

結構辛いな・・・水・・・あったっけ?・・・薬飲まな。その前に食べないと。
・・・立つの面倒いな。こんな時、1人暮らしはきつい。なんつーか・・・

「孤独や・・・」

いつもやったら、WildeやMonet、Chopinなんかがあれば孤独を感じることなんて、ない。
でも、今は・・・いらない。そんな気力ない。

「ゴホッ・・・やばい、寂しい・・・」

・・・ああ、そうやんなー。今、欲しいのは・・・



―――ピーン・・ポーン・・・・

控えめに、チャイムが1回。


―――ピンポーン・・・ピポピンポーン!!


今度は軽快に。・・・って、鬱陶しいっちゅーねん!誰や、こんな時間に!!
居留守を決め込んだ次の瞬間・・・


―――ガチャッ


エェ?!・・・鍵、開けてるし!

・・・ちょっと、待って・・・うちの鍵持ってるのなんて、1人しか・・・

「・・・」

迷わずに、この部屋に向かってくる足音。
思わず部屋のドアを凝視する。何故か、胸が高鳴る。


―――カチャッ


ドアが開き、ひょこっと顔を覗かせたのは――



「ゆりっぺ・・・」

その顔はニコッと笑い、顔の横でピースを作る。

「イェイ♪」

イェイって(笑)・・・こんな時間に・・・スーパーの袋ぶら下げて・・・

「・・・何で?」

「何ででしょう?(笑)」

「今、1時よ?夜中の。」

「うん、暗かった。」

「危ないやん。・・・怖くなかった?(笑)」

「タクシーで来たよ。」

「・・・明日、仕事やで?・・・ゲホッゴホッ」

「風邪ひいたくせにー」

「うっ・・・ケホッ」

あぁ、今めっちゃ間抜けな顔してるんやろうな。
でも、ゆりっぺはさっきから、ずっと笑顔で。心から、安心する・・・

「薬飲み?」

ゆりっぺは袋からペットボトルと箱を取り出す。

と、ここで幼い悪戯心が芽を出す―――

「飲めへーん」

「だめー。飲まなきゃ治んないよ。」

「起きられへん。飲ましてー」

「どうやって?」

「口で。」

「やだー」

―――即答かい!

「風邪うつったら、歌えない。」

・・・そこで更なる悪知恵が

「・・・歌と私と、どっちが大事?」なーんて愚問。
ゆりっぺは、なんて答える?

「・・・」

長い沈黙に、ゆりっぺの顔を覗きこむ。たぶん、潤んだ瞳で。
ゆりっぺから笑顔が消えていた。・・・少し、不安になる。

彼女はゆっくりと錠剤を取り出すと、私の口に入れた。
そしてペットボトルの口を開ける。

私は水を飲もうと、上体を上げる。しかし、彼女の手に制せられる。・・・?
開けたペットボトルの口を、彼女は自分の口に運ぶ。
水を含んだ口は、そのまま私の口へ―――

冷たさを失った水が、心地良い温度で喉を流れてゆく。同時に激しい動悸が胸を襲う。

「・・・っ、風邪うつったら歌えへ――」

「AZUKIさん」

「・・・AZUKIさんが大事だよ」

「・・・うん。」

「でも、私は歌うよ。何があっても。」

・・・ああ、そうやね。

「私を誰だと思ってるの?」彼女の声が低くなる。

「・・・ゆりっぺはゆりっぺよ?(笑)」

「GARNETの歌姫だよ?私しか歌えない。」

「・・・」

「歌姫、言ったもん勝ち(笑)」

あーもう。かっこよすぎるわー。かなわんなー、この娘には。
この世界にあるもの全て、移り変わってゆくけれど、
今のところ、この娘にだけは飽きそうにない。
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