2007/01/09
CICO×YUKIA03
作者:不明
そしてまた僅かな沈黙の後、どちらからともなく二人は互いに顔を近づけ、唇と唇が重なる。
先ほどの強引なキスとはほど遠い、優しいキス。唇を重ねたまま、CICOの手がそっとYUKIの肩を撫でる。
手の温もりがそのまま気持ちを伝えてくるようで、YUKIの頭の奥が痺れ始めた。少し呼吸が苦しくなって 僅かに顎を引くと、出来た隙間を縫うようにCICOが舌を差し出してきた。
「……っん…」
CICOの舌先がYUKIの上唇の輪郭を辿るようにゆっくりと滑り、薄く開いた唇の間から 更に中へと押し入ってくる。なのに、不思議と苦しさは感じなかった。自然とソファの 上に崩れ落ちながらも、ゆっくりと衣服越しに重なる二人のカラダ。そしてゆっくりと 離れたCICOの唇に、淫靡さを纏った唾液の艶を見て、YUKIは自身のカラダの熱の上昇を 自覚する。
咄嗟に顔を隠すように、両腕を顔の前で交差させてしまった。
「…どしたん?」
「なんでもない…っ」
そんなつもりはないけど、もう本当に後へは引き返せないのだという事を実感して 怖くもあったし、恥ずかしいけれど、同じくらいの期待もあった。CICOは、どんなふうに 自分に触れてくるのだろう。そして自分は、どんなふうに自身を曝け出すのだろう。
「…CICOちゃん…、その…、やっぱり…」
「悪いけど、止めるつもりはあらへんよ?」
そして、CICOはYUKIの首筋に唇を押し付ける。ちりっ、と小さな痛みが走って、吸われたことが判る。
それと同時に、自由になっていた両手で、服の上から胸の膨らみをそっと撫でる。
「ん…っ」
その声にCICOの頭の奥も痺れてきて。YUKIの上半身の衣服を剥ぎ取るように脱がせた。
YUKIから衣服を奪ったまま、何かを凝視する様に動かなくなったCICOの視線の行方が判って、 下着だけになった自身の上半身を咄嗟に腕で隠す。今までに何度も見たはずの、互いの体。
なのに、状況が違うだけでこんなにも心情までが変わってしまうものなのかとYUKIは思う。
ただひたすら、羞恥心だけが煽られていく。
「CICOちゃん…恥ずかしいんだけど…」
「なら隠さんと、ちゃんと見せてや」
そう言って、CICOはYUKIの両手首を捕らえて左右へと広げる。
そのままYUKIの胸元へと顔を埋め、下着の上から唇を押し付けた。
「…っ」
少し大きく口を開き、含むように吸われて、YUKIの腰が痺れる。下着の上からなのに、生暖かなザラリとした 舌の質感がよく判って、YUKIの体が無意識に強張っていく。掴まれた両手首にも無駄にチカラが入ったせいか、 それに気付いたCICOが左手を解放してくれた。自由になった左手で肩を押されてしまったけど、もちろんそこに 抵抗が含まれてないのはCICOにもよく判った。口で触れるだけでは物足りなくて、YUKIの手を解放したことで、 空いた右の手のひらでYUKIの胸を包み込む。まだ直には触れず、下着の上から、YUKIの胸の頂点を強く押してみる。
「あっ!」
反応があったことがCICOをひどく満足させた。もう片方の胸には唇を押し付けながら、右手で触れている胸の先では 指を強く押してはゆっくりと円を描くように撫で、そしてまた強く押して。
「…んっ、…ん…っ!」
YUKIの下腹部にじわりじわりと襲い掛かってくる痺れたような熱。直接触れられない 事はこんなにももどかしいものだっただろうか。
「…んっ、…は…っ、早くっ…!」
もどかしさに耐え切れず口にした言葉はCICOの耳にはどんなふうに届いただろう。浅ましい女だと思われた だろうか。幻滅させてしまっただろうか。けれど、そんなYUKIの言葉にCICOは快く、いや、むしろ心待ちに していたかのようにあっさりと応えた。下着と素肌の間に中指だけを滑り込ませ、そのまま背中のほうへ伸ばして 下着のホックを外す。胸を覆っていた圧迫感がなくなり、背中に滑ったCICOの指がするりと肩紐を外した。
そこでまた、CICOは動きを止める。目を閉じていても、CICOが見ているものが判って、また体温が上がる。
「……やだ、CICOちゃん…そんなじっくり見ないで…」
「だって…YUKI、めっちゃ綺麗やねんもん」
そんな会話のあと、唇でしか感じたことのなかった生暖かな舌の質感が YUKIの胸の先端へと触れてきた。
「…アッ、…は、ぁ…っ!」
びりびりと、下腹部だけでなく脳の奥まで痺れが広がる。ゆっくりと、丁寧に先を舐め上げ、 そっと啄ばむように吸いあげる。
「…っ、ア…ッ」
弄ぶように舌で先を転がされているのが判る。吸いあげて、噛まれて、舐められて。 不規則に繰り返されることで湧き起こる快感に、込み上げてくる感情の揺れと声。
「…や…、あ…っ、…ん…っ、…は、あ…っ」
次第に呼吸も上がっていく。
「…あっ、…あ、ああ…っ」
思考のコントロールを奪われる。
「YUKI……」
切なげに濡れたCICOの声が聞こえる。やがて、胸を包んでいた手のひらがYUKIのカラダの線を 辿るようにして腰まで滑り落ちる。ただ撫でられているだけなのに、CICOの触れた部分がひどく 熱を帯びていくと同時に、CICOの頭の奥もぴりぴりと痺れていく。履いているジーンズの上から 太腿を撫でられ、内側へと滑ってくる動きに身震いした。