二次元キャラ系SSまとめ
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┣山田×夏樹A03
作者:山田一座
◆キャスト
山田みどり…青田典子
鈴木夏樹…松本莉雄
以前は座員も使っていた浴室はかなり広く、
湯船は有に大人2人でも足を伸ばして入れるくらいはある。

脱衣所のドアが開き山田が入ってきたようだ。
「あ…来た」
山田がバスタオルを外すシルエットが見える。

「お待たせ。ごめんね」
「ううん。サウナで3時間待たせた私よりマシ(笑)」
別の方向を向いて会話を交わす2人。
なぜかお互い相手を直視できない。

温泉に行ったりサウナに行ったり…
今までも同じようなシチュエーションはあったはずなのに、
気持ちを確かめ合ったあとだとこんなにも違うなんて…。
夏樹は不思議な気持ちで山田の背中を見つめていた。

「入っていい?」
「はい…」
向き合って座ると真正面から目が合ってしまい、言葉が出なくなった。

続く沈黙。

たまらず山田が「…こっちおいで」と夏樹の手を取り引き寄せた。

「や、山田さん…後ろ抱っこ好きなんですね」
この間のキスの時と同じ状態で、後ろから山田に抱かれる夏樹。
「ええ、するのもされるのも大好きよ」
「私も。でもまだしたことはないですけど」

(…こんなにドキドキして山田さんに気づかれたらどうしよう。
でも、背中越しに…山田さんの動悸が伝わる。…すごい早い…。
手もこんなに震えて…山田さんも私と同じくらい緊張してるんだ)

山田の胸が夏樹の背中にあたり、
その柔らかい感触と緊張の中、身体を山田に預けてぼんやりと目を閉じた。

どうやら夏樹も同じ気持ちでいてくれたらしい。
鼓動の激しさがそれをあらわしている。
大事に思うあまり、淋しい思いをさせてしまったようだ。
(ごめんね)
夏樹を抱く手にギュッと力を込めた。

山田の指が夏樹の指先に絡みつく。
無意識に力が入る夏樹のしなやかで長い指。

「…夏樹ちゃん?…夏樹ちゃん?」
「…はい?」
「湯あたりしてない? 大丈夫?」
「…はい…大丈夫です」

夏樹の腕をなぞる山田の指が、肩を通りうなじで止まる。
おくれ毛をもて遊びながらキスをする山田。
夏樹はくすぐったそうに小首をかしげて微笑む。

「綺麗なうなじ…」
うなじから耳の後ろに舌を這わせ耳たぶを軽く噛んでみる。
「あっ…」
「耳が感じるのよね」
「…うん」

夏樹はたまらず山田の方に向き直り、首に腕をからめ抱きつく。
激しく上がる水しぶき。
夏樹の口元の水滴を山田が「ペロリ」となめた。
一瞬驚いたように夏樹の目が大きく見開かれたが、すぐに閉じられ
その動きに合わせるようにお互いのくちびるが重なった。
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