二次元キャラ系SSまとめ
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┗天野×杉C01
作者:スレ1
◆キャスト
天野ひかる…深津絵里
杉裕里子…鈴木京香
「天野」
「はい?」

床に寝転がって雑誌読んでたら、急に呼ばれて。顔をあげたらソファの上から先生がニコ
リ。
「なんですか?」って首を傾げてみたら、微笑んだまま目でおいでの合図。
わたしは雑誌を放り出して、ソファにとことこ這っていっていった。

「はーい」

先生の足元に到着!見上げるのと同時によしよしって頭を撫でられて、なんだか飼い犬に
でもなった気分。
用事ってこれかな、と思ったそのとき。
急に先生がソファから降りてきて、トスッとわたしのとなりに。何が何だかわからないう
ちに、わたしは先生に抱き締められていた。

「わ……わ」

口から出てくるのは間の抜けた声ばっかり。ちょっともう、何が何だかわからない。首筋に顔を埋められて、くすぐったくて身をよじ
る。

「せんっ、先生!?」
「なあに」
「な……!こ、こっちがなあに、です!」
「何って何よ。甘えてるの」
「ええ!?」

不安定な体勢だったから支えきれなくなって、ついにころんと床に倒れこむ。
軽く頭を打って、顔をしかめたら先生が笑って。わたしはほっぺたを膨らませた。

「もう。なに笑ってるんですか?」
「え?笑ってないわよ」
「笑ってるじゃないですかー」

キッとにらむと、いかにも楽しいって感じでまた笑って。
少し体を起こした先生が今度はほっぺたをつついてきて、思わずどきっとして。なんとも
言えない顔をしてしまった。

なーに、怒ってるの?」
「そりゃあ、怒ります」

ホントにちょっと痛かったのに…、って小声で言ったら、先生は片方だけ眉を持ち上げて。
それから頭を撫でてくれながら、急に優しい声になった。

「じゃあ」
「?」
「どうしたら許してくれる?」
「どうって…」

それは、ごめんって一言もらえれば…って一瞬思って、でもふっと思いとどまる。
せっかくだから、困らせちゃえ。いたずら心がむくむく沸いてきて。
こっちを見おろす先生を、まっすぐ見つめる。

「じゃーあー、先生」
「なあに」
「ちゅーしてください」

ちょっと得意気に笑ってみせたら先生は一瞬きょとんとして、それからなぜか不敵に微笑んで、「いいわよ」と一言。
こっちがびっくりした。

あ──、え?」
「なに」
「何ってあの、ちゅーですよ?」
「分かってるわよ。キスしろって事でしょ?」
「そ…れは、そう、ですけど」
「ならいいじゃない」
「…はい」
「ほら目、つぶって」
「は、はいっ」

やった!まさかそんなにあっさりOKしてくれるなんて。
先生に言われるまま慌ててきゅっと目をつぶる。だんだんドキドキしてきて、少し間があって…

ちゅ。
口じゃなくて、おでこに唇が触れた。

「……」
「なあに、その顔」

分かってるくせに!
道理ですんなりOKしてくれたわけだ。見上げた先生は、してやったりな笑顔。

「ここじゃご不満?」

そう言いながらおでこをとんとんつついてきて、またどきっとする。

「やじゃ、ないですけどー…」
「じゃ、天野は」
「はい?」
「どこが良かった?」
「え」
「教えて。してあげるから」
「そっ、そんなの」

決まってるじゃないですか。そんな意味をこめて、目で訴える。だけど先生は知らん顔。
それなら、ってちょこっと自分の口を指差してみたら、その手ともう片方の手を両方掴まれてしまった。

「どこ。言わなきゃ分かんないわよ」
「…く……」
「く?」
「くちに、ですっ」

きっと顔まっかっか。もうやだ…でも、これでしてもらえる、と思ったら。
ちゅっ、って。今度はほっぺた。
ひどい!

「もぉ、なん──」

なんで意地悪ばっかりするんですか!
言おうと思った言葉は、今度こそ唇に降りてきた唇に塞がれて。
ちゃんとしてくれた…って思ったしゅんかん、なんだか気持ち良くて頭が真っ白になった。

許してくれた?」
「…まだです」
「ええ?」
「あともう二回、してくださいっ」
「なに、それ」

にっこり笑って言ったら、先生は苦笑い。でも、きっとしてくれるから。

「ね?先生」
「いいけど。あなたもよ」
「へ?」
「天野もするの」
「わっ、わたしもですか!?」
「当たり前でしょ。自分だけしてもらおうと思ってたわけ?甘いわよ」
「え…」

最初の甘えんぼな先生はどこへやら。だけどなんだかちょっと嬉しくて。
ふわりと降りてきた先生のもう一回に、わたしはそっと目を閉じた。
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